【不定期更新】#16-構築編④ギミック構築【小コラム集】
この記事は、ポケモン対戦初心者のための小コラム集「脱初心者、ランクバトルへ」の連載企画です。
ところで以前、構築には基本の三種構築が存在すると言いました。対面(スタン)構築、積み構築、サイクル構築ですね。
これは、必ずしもこういう組み方でないといけないというわけではありませんが、より強くなるためには頭の片隅程度に意識した方がいい知識ではあります。
ランキング上位者はこれらの構築をうまく利用するだけでなく、例えば対面構築とサイクル構築を組み合わせた派生構築など、それぞれの良いところを活かして組み合わせ、独自のPTを構築する方もいます。
そんな基本の3構築以外に、ギミックパーティと呼ばれる構築が存在します。
これは特性や技の効果などを使って相乗効果を狙うパーティで、様々なコンボが存在します。これらギミックを知らないと、何も対策できないまま一方的にやられてしまいます。
簡単にざっと解説していきますので、ポケモンにはこういう戦い方もあるんだ、と興味を持ってもらえたら幸いです。
①晴れパ
特性「ひでり」や技「にほんばれ」を使って、場をひでりがつよい状態にして戦うPT。
炎タイプの技の威力が1.5倍になる、ソーラービームやソーラーブレードが1ターンで打てるという恩恵を主体に戦っていく。
また水タイプの技の威力が0.5倍、かみなりやぼうふうの命中率が50%にダウンという下降補正もあるので、雨パとは対をなす存在。ちなみに晴れ状態だとこおり状態にならないので、晴れパ相手にこおりを期待して戦うのはやめたほうがいい。
特性ようりょくそで素早さを2倍にしたり、特性サンパワーで特攻を1.5倍にするなど、他にも様々な恩恵を受けられる。
代表的なポケモンはグラードン、コータス、リザードン、フシギバナ、キュウコン、リーフィアなど。
②雨パ
特性「あめふらし」や技「あまごい」を使って、場をあめ状態にして戦うPT。
水タイプの技の威力が1.5倍、かみなりやぼうふうが必中になるという恩恵を主体に戦っていく。
また炎タイプの技の威力が0.5倍、光合成や朝の陽ざし・月の光で回復する量が25%にダウンするという下降補正もあるので、晴れパとは対をなす存在。
特性すいすいで素早さを2倍にしたり、特性かんそうはだで毎ターンHPを回復するなど、他にも様々な恩恵を受けられる。
代表的なポケモンはカイオーガ、ペリッパー、ニョロトノ、キングドラ、ルンパッパ、ガマゲロゲなど。
③砂パ
特性「すなおこし」や技「すなあらし」を使って、場をすなあらし状態にして戦うPT。
晴れパや雨パと違って特定のタイプの威力が上がる効果はないが、岩・地面・鋼タイプ以外のポケモンは毎ターンダメージを受けてしまう。また岩タイプを持つポケモンの特防が常時1.5倍になるという恩恵がある。
特性すなかきで素早さを2倍にしたり、特性すながくれで回避率を上昇させたり、特性すなのちからで岩・地面・鋼タイプの技の威力が1.3倍になるなどの特性を活かして戦う。また「すな〇〇」と名の付く特性を持つポケモンは、岩・地面・鋼タイプ以外であっても砂嵐のダメージを受けない。
代表的なポケモンはカバルドン、バンギラス、サダイジャ、ドリュウズ、ムーランド、ウオノラゴン(すなかき)、パッチラゴン(すなかき)など。
④霰パ
特性「ゆきふらし」や技「あられ」を使って、場をあられ状態にして戦うPT。
砂パと同じく特定のタイプの技の威力が上がる効果はないが、氷タイプ以外のポケモンは毎ターンダメージを受けてしまう。残念なことにそれ以外で目立った特徴はなく、使用者もかなり少ないが、その最大の恩恵はオーロラベールが張れることとふぶきが必中になることである。
特性ゆきかきで素早さを2倍にしたり、特性ゆきがくれで回避率を上昇させたり、特性アイスボディで毎ターンHPを回復するなどの特性を活かして戦う。コオリッポはあられ状態でアイスフェイスにフォルムチェンジすることができる。また「ゆき〇〇」と名の付く特性を持つポケモンは、氷タイプ以外であっても霰のダメージを受けない。
代表的なポケモンはキュウコン(アローラのすがた)、バイバニラ、ユキノオー、グレイシア、ラプラス、コオリッポ、ツンベアーなど。
⑤バトンパ
使用者のランク補正を後続ポケモンに引き継ぐ技「バトンタッチ」を使って戦うPT。バトンタッチを使うポケモンと、能力上昇を引き継ぐエースポケモンとがいる。無対策だと、能力上昇しまくったエースポケモンにボコボコにされてしまう。
強い能力上昇技を覚えたり、能力上昇させる特性を持つポケモンが覚えたりするので、ある程度慣れてくると一目見て「これはバトンパだな」と判断することが可能。
代表的なバトンタッチ要員は以下の通り。
殻を破る:ポットデス
コットンガード:バイウールー
小さくなる:フワライド
※太字+下線は、最近の環境で特によく目にするポケモン
能力上昇を引き継がれると止められないので、必ず対策できるポケモンを入れておく必要がある。主な対策は先手で挑発を打つ、ほえるやふきとばしによる強制交換、黒い霧による能力上昇のリセット、特性てんねんによるランク補正無効などが挙げられる。
⑥トリパ(トリルパ)
場にいる全てのポケモンの素早さが逆転する技「トリックルーム」を使って戦うPT。
全体的に素早さが遅いポケモンが多い。例えばバドレックス(白馬)など、素早さは遅いが他の種族値が高いというポケモンも多くいるので、そういったポケモンに先制をとられてボコボコにされてしまう。
トリックルームを覚えるほとんどのポケモンがエスパータイプかゴーストタイプであり、あとはほんの一握りのノーマルタイプやフェアリータイプが覚える程度である。そういったタイプのポケモンと鈍足ポケモンの並びが特徴的なので、ある程度慣れてくると一目見て「これはトリパだな」と判断することが可能。
代表的なトリックルーム始動要員、及びトリックルームアタッカーはバドレックス(白馬)、ブリムオン、イエッサン、ポリゴン2、ドータクン、ミミッキュ、ツンデツンデ、シャンデラ、ゲンガーなど。
ダブルバトルの方がシングルよりも多く見るが、シングルにも一定数存在する。対策をとるのは難しいが、バトンパ同様、先手で挑発を打つのが望ましい。また素早さ関係に左右されない先制技持ちのポケモンや、相手が先に行動してきても受けられる程度の耐久性能を持つ受けポケモンを用意したい。
⑦重力パ
場にいる全てのポケモンが地面に着地し、命中率が1.6倍になる技「じゅうりょく」を使って戦うPT。
地面に着地する効果は、例えばサンダーに地震があたったり、飛行ポケモンにねばねばネットが当たるなどの恩恵はあるものの、あくまでおまけみたいなもの。その恐ろしさは命中率1.6倍にある。命中率の低い高威力技をバンバン当てることができるし、それよりもっと脅威なのは催眠術の命中率がほぼ100%になるという点。相手を絶対に眠らせることができるので、有利に立ち回ることが可能となる。その、ハマれば極悪なコンボから重力催眠パと呼ばれることが多い。
ポケモン剣盾に存在するポケモンのうち、重力を覚えるポケモンはピクシー、プクリン、ハピナス、ヨノワール、ギガイアス、シンボラー、ナットレイ、ゼルネアス、ネクロズマ、イシヘンジンしかいない。これらと催眠術や眠り粉、歌うなどを覚えたポケモンとが一緒に並んでいる場合は要注意である。
あまりに数が少ないので一目で判断できる可能性は低いが、今シーズンの環境に一定数いるルナアーラはほぼ確実に重力催眠パーティなので気を付けたい。
⑧統一パ(コンセプトパ)
タイプ統一や見た目統一、名前統一など、何かしらのコンセプトを持って統一されたパーティである。
ほとんどの方はお遊び感覚で楽しく使っていることと思うが、中にはガチで強い統一パもいるので注意。例えば前回だか前々回だかのシーズンで、ブイズ統一パ(イーブイの進化系のみで固めたPT)でランキング100位台をたたき出した人がいたような気がする。
他にも水タイプ統一やゴーストタイプ統一など、タイプ統一とはいえ純粋に強い統一パは存在する。使い手の熟練度と愛を感じられる、洗練されたPTと言えるだろう。
対策のしようがないため、これは何らかの統一パだと思ったらすぐに検索してみるといい。例えば「水タイプ統一 対策」などと検索すると、要注意ポケモンや対策方法などがヒットするだろう。
今回は様々なパーティを紹介するのみの記事となりました。前回の記事でおおまかにPT構築を組んでみたが、その運用についてはもうしばらく待ってほしいです。
この流れで、次の記事もパーティ関連の話になります。様々なパーティを紹介しましたが、結局今は何が流行ってるの? どんなPTに気を付ければいいの? という話をお伝えしたいと思います。
ここまでのご閲読ありがとうございました