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ナナホシのポケモン構築メモ

【不定期更新】#12-育成編⑧努力値の振り方【小コラム集】

この記事は、ポケモン対戦初心者のための小コラム集「脱初心者、ランクバトルへ」の連載企画です。

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#11-育成編⑦個体値厳選← ■ →#13-構築編①PTの軸と勝ち筋

  以前の記事「努力値とは」の続きになります。

 性格とステータスの関係、そして個体値厳選については理解できましたでしょうか?

 いよいよポケモン育成の要となる要素「努力値調整」について解説していきます。

 難しい内容ですが、ここまで読んでくださった読者ならきっと理解できるはず。ここを乗り越えればいよいよ次回からはPT構築編に入ります。頑張ってください!

 

 

戦闘による努力値稼ぎ

  初代ポケモンからずっと続いている、伝統的な、そして基本的な努力値稼ぎの方法です。

 ポケモンを倒すと、野生ポケモンやトレーナーとの対戦で経験値を手に入れますよね。この時、経験値を獲得すると同時に努力値も獲得します。

 努力値は、HP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさ、という6つのステータス全てに存在します。それぞれ最大252まで割り振ることができますが、6つのステータス全てに252を割り振ることはできません。ステータス全体で合わせて510までという制限があります。

 ですから基本的には「長所となるステータスにそれぞれ252を振り、余った数値(6)をどこか1か所に振り分ける」という振り方が基本となります。

 

 ここまでが前回の簡単なおさらいです。

 

 では戦闘による努力値の振り方(稼ぎ方)ですが……

 実は、どのポケモンを倒せば、どのステータスの努力値がどれぐらいもらえる、という数値は、全て最初から決まっています。

 ポケモン徹底攻略でポケモン図鑑を見てみましょう。

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 この画面で「キャタピーを倒したときにもらえる努力値」という場所まで下がってみてください。

 すると「HP」のところに「1」と書いていますよね。

 これは「キャタピーを1体倒せば、HPの努力値が1増える」という意味を表します。

 つまりHPの努力値に252を振り分けたいならば、キャタピーを252回倒す、というのが努力値稼ぎの基本的な考え方です。

 

 トランセルなら「ぼうぎょ」の努力値が「2」もらえますので、トランセルだけを倒してぼうぎょの努力値を稼ぎたいなら、トランセルを126回倒せば252稼げるということになります。

 

 またバタフリーの場合は「とくこう」が「2」もらえ、さらに「とくぼう」が「1」もらえます。とくこうととくぼうの努力値を同時に稼ぎたい時はバタフリーを倒すと便利、ということになりますね。

 

 この通り、たとえ同じ進化系列のポケモンであっても、進化前と進化後ではもらえる努力値に違いがあります。そして、それら全てを網羅するのは不可能です。

 たいていの場合は「ポケモン剣盾 努力値 おすすめ場所」などと検索すれば、「HPの努力値はここで稼げるよ~」とかっていうおすすめの場所を紹介してくれます。それらを参考にするとよいでしょう。

 

 

 って、こんなのちまちまやってられっかーい!!!

 

 と思う方もいらっしゃいます。当然ですよね。だって「とくこう」の努力値を252振るのに、ミブリムやユキハミを252回倒すなんて、ハッキリ言って苦行すぎます。

 

 あくまでこれは、従来のポケモンによる努力値稼ぎの方法です。

 今はもっと効率化が進んでいます。

 

 例えば、前回の記事でさらっと紹介した「パワー〇〇」系アイテムをポケモンに持たせれば、〇〇に対応する箇所のステータスの努力値加算に+8のボーナスがつくのです。

 どういうことかというと、パワーウェイトというアイテムを持たせた状態でキャタピーを倒せば、通常はHP+1の努力値しかもらえないところ、アイテムボーナスでHP+9も稼げるわけです。本当なら252回もキャタピーを倒さないといけないところをわずか28回で済みます。これは大幅な短縮化と言えるでしょう。

 

 ですが、残念ながら今はこの方法で稼ぐ努力値も主流ではありません。

 金さえあれば、努力値を稼ぐアイテムが入手でき、自由自在に、あっという間に努力値を与えることができるからです。

 

 

アイテムによる努力値稼ぎ

 「えいようドリンク」と呼ばれるアイテムを使います。シュートシティに売っている「マックスアップ」「タウリン」「ブロムヘキシン」などといったアイテムのことですね。

 これらは、それぞれに対応したステータスの努力値を+10してくれます。例えば「インドメタシン」はすばやさの努力値を+10与えます。

 努力値はどれだけ過剰に振っても252という上限で止まりますので、インドメタシンというアイテムを使って素早さの努力値を最大限振りたい場合は、インドメタシン26個用意すればいいのです。たったこれだけで、一瞬で努力値を最大まで上げることができますので、戦闘でちまちま努力値を稼ぐことが馬鹿らしくなってきます。

 

 ですが、このえいようドリンクは1個1万円もする高級アイテム。たとえば1匹のポケモン努力値を最大限の510(252、252、6)まで振りたい場合は、ドリンクが26個×2セット +ドリンク1個が必要になります。実に53万円です。

 この方法でポケモン6匹全てに努力値を与えるならば318万円ものお金が必要です。

 つまり金策が必要になります。

 この方法が時間的効率は最大なのですが、かかる費用も最大だということを覚えておいてください。

 

 

ポケジョブによる努力値稼ぎ

  なんの準備も費用も不要で、放置しながら、かつ複数のポケモン努力値を振れるという画期的な方法があります。それがポケジョブです。

 これはポケモン剣盾からの新しいシステムで、この方法を使えばストレスなく努力値を溜められることができます。

 

 〇〇ゼミ開校! という、努力値稼ぎ専用のポケジョブがあります。〇〇の中にはステータスが入ります。例えば「体力ゼミ開校!」なら、HPの努力値を稼ぐことができるポケジョブということになります。

 

 同時に10体まで稼ぐことができ、かつ、パワー〇〇系のアイテムを持たせれば24時間で一つのステータスの努力値を最大まで稼ぐことができます

 

 この方法は様々な有志の方々が詳しく解説してくれていますので、そちらを見たほうが早いでしょう。

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 ここの「【剣盾】ポケジョブで努力値を獲得」という見出しを参考にしてください。

 

 もしパワーウェイトというアイテムを10個持っていれば、ポケモン10体にそれぞれ持たせることで、24時間放置するだけで10体のポケモンのHPの努力値が最大になる、ということですね。

 

 完全放置で努力値を稼げるので非常に便利なのですが、ネックなのは時間が大変かかるということ。

 だから、まず最初に決めた6体だけはえいようドリンクで努力値を与え、ランクバトルに慣れてきて「こういうポケモンも育ててみたいな」と思ったときに、そういったポケモンたちをポケジョブで稼がせるという流れでいいかもしれませんね。

 

 また、今は「252・252・6」振りしか話していませんが、ポケモンバトルに慣れていき、初心者を脱することになると、将来的には「仮想敵」を意識することになります。

 ここでは割愛しますが、仮想敵を考えて努力値を微調整する際にもポケジョブが役に立ちます。時間を調整すれば、与えられる努力値のコントロールも可能になります。

 この記事は初心者向けですので、今ここで仮想敵の話を言及することはやめておきますね。

 

 

 

ポケルスとは

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 ポケモンバトル後、ごくまれに感染するウィルスのようなものです。めったに見つかることがないので、ついていればラッキー、という程度のものと認識してください。

 

 ポケルス状態のポケモンは、それ以降バトルとポケジョブとでもらえる努力値が2倍になります。えいようドリンクには影響はありません。

 

 もし自分の手持ちにポケルス状態のポケモンがいたら、ポケルスってなんだろう? と検索してみてください。詳しい仕様が解説されています。

 

 

 

努力値を減らす方法

  ザロクのみ、ネコブのみ、タポルのみ、ロメのみ、ウブのみ、マトマのみという木の実を使うと、それぞれ該当するステータスの努力値を10下げることができます。

 間違えて振ってしまったり、振りすぎてしまったときにはこの木の実を使いましょう。

 

 また、DLCを購入された方は、鎧の孤島のワークアウトの海にいる「まっさらおねえさん」に話しかけることで、ポケモン1体の全ての努力値を0にすることができます。育成しなおしたいときはこの方法が便利です。

 

 

努力値調整と理想的な振り方

  今回もまた、ラティアスを例に出して努力値調整について考えてみましょう。

 

 努力値調整の原則として「長所を伸ばす」というポイントがあります。

 苦手分野を補うよりも、得意分野に力を入れたほうが、より強いポケモンに育つという考えですね。

 ポケモンの得意不得意は、そのポケモン種族値を理解していないといけません。

 ここで、ラティアス種族値を見てみましょう。

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◆ ラティアス種族値
HP  80
こうげき  80
ぼうぎょ  90
とくこう  110
とくぼう  130
すばやさ  110
平均 / 合計  100.0 / 600

 

 ラティアス合計種族値600という、非常に高い強さを持つポケモンです。一般的にポケモン種族値は500以上あれば強い、580以上あるポケモンはかなり強いと言える部類にあります。そして合計種族値600というのは、通常のランクバトルルール(伝説級のポケモンの使用禁止)において参加可能なポケモンのうち、最も高い種族値となります。めちゃくちゃ強いと言っても差し支えないでしょう。

 種族値で言えば、もう一つ大きなポイントがあります。個々のステータスで見てみると、一般的に100を超えるステータスを持つと、強いポケモンであると言えます。110~120はかなり強い水準です。特に130を超えるステータスを持つ値は、他に類を見ないほど突出しており、そのポケモンの優れた長所と言えます。ラティアスはとくぼうが130もありますので、これがラティアスの長所と言えますね。

 このことからラティアスは、かなり高い水準の強さを持つポケモンであり、とくこう・とくぼう・すばやさが高く、特にとくぼうが非常に優れているポケモンであると紹介することができるでしょう。

 

 というわけでラティアスの強さが分かりました。

 さてラティアス努力値調整ですが「長所を伸ばす」という原則に基づくと、以下のようなパターンがあります。

 

 パターン① CS252 D6:とくこう・すばやさ特化

 パターン② DS252 C6:とくぼう・すばやさ特化

 パターン③ HS252 D6:HP・すばやさ特化

 パターン④ HD252 S6:HP・とくぼう特化

 

 ざっと4パターンを挙げてみましたが、こればかりは「この振り方にしたほうがいい」という鉄則のようなものはなく、上記4パターンのうち自分の好みの戦略となるものを選びましょう。これは以前にも何回か話しましたが「そのポケモンに何をさせたいか」を熟考しなければいけません。よく考えてから努力値を振りましょう。

 

①CS252 D6:とくこう・すばやさ特化

 ポケモンバトルは言うまでもなく「相手のHPをゼロにする」ことが勝利となります。そしてポケモンバトルはターン制ですので、先に素早い方が行動できるというルールがあります。CS特化というのは攻めに焦点を当てたアタッカー型として使いたい場合の振り方です。もともとDは130と高いのですが、Dがいくら高くても相手のHPをゼロにすることはできません。純粋なアタッカーとして使いたい場合はこの振り方がベストでしょう。

 ですが、アタッカーとして使いたいなら、タイプが全く同じで、Cが130と高い水準にあるラティオスを使った方がいいかもしれません。

 

②DS252 C6:とくぼう・すばやさ特化

 最も高いDをさらに伸ばしつつ、相手より先に行動することを重視した、受けにも攻めにも両方転ずることができる振り方です。が、正直あまりお勧めはしません

 ポケモンに攻めという役割を持たせたい場合はAかCのどちらかに振りつつSに振るのが鉄則ですが、受けという役割を持たせたい場合はちょっと違います。というのも、BかDのどちらかに振り切ればいいというわけではなく、HPの数値が非常に大切になってくるからです。どれだけBやDが高くても、ヌケニンのようにHPが1しかなければ意味がありません。またハピナスはHPの種族値が255と全ポケモン1位の高さを誇りますが、その反面Bは10しかなく、いくらHPが高いといっても物理防御の水準はかなり低いわけです。何が言いたいかというと、受けポケモンはH・B・Dそれぞれのバランスが非常に大切だということです。

 ポケモンの戦闘ダメージを計算する式はとても複雑ですのでここでは割愛しますが、結論を言いますとラティアスはDに252だけを振るより、Hに100、Dに156という振り方をしたほうが特殊耐久は高くなります。なんでと言われても、計算式に基づく結果ですので、そういうものなんだと認識してもらうしかありません。詳しくは耐久調整ツールを使って数値を入力すると分かります。

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③ HS252 D6:HP・すばやさ特化

 これは私が最もオススメするラティアスの理想的な努力値調整です。高い素早さを生かしつつ、耐久面も底上げすることができ、そしてもともと特殊攻撃も高いので、攻守備えたラティアスの長所を最大限に生かす振り方だと自負しています。

 パターン②のDS特化と何が違うのかというと、Hに振ることで実質BもDも両方上げることができるという点で大きくことなります。

 Dをどれだけ高くしても特殊耐久が強くなるだけで、物理耐久は一切上がりません。けれどポケモンの耐久というのはHP、防御、特殊防御の3要素で決まります。物理攻撃がとんできても特殊攻撃が飛んできてもHPは減ります。受けポケモンの耐久を底上げしたい場合は、ハピナスなどの例外を除いて基本的にはH極振りが正解です。

 ラティアスはDの高さが目立ちますが、B種族値も90と、決して低い水準ではありません。長所を伸ばすのは原則ですが、短所を補うことでさらに強固な守りを得られる場合は、短所を伸ばすことも十分ありです。

 

④HD252 S6:HP・とくぼう特化

 ラティアスはDが最も高いので、長所を伸ばすという原則に基づくなら、これこそラティアスの長所を存分に活かす究極の努力値振りと言えます。高いCとSを犠牲にする代わりに、最も高いD、そしてDの水準を更に高めるためにHに振ることで、究極の特殊受けポケモンが誕生します。この振り方をしたラティアスには、生半可な特殊攻撃は通用しません。ほとんどの特殊アタッカーに繰り出せる型となっております。

 ですが過信は禁物です。Bを高めているわけではありませんので、特殊耐久は高いものの物理耐久は並ですから、純粋な物理アタッカーにはごり押しされる恐れがあります。

 またラティアスのS種族値110というのは競合ポケモンが多く、「Sに振っとけばあのポケモンにも勝てたのに……」と後悔する場面も少なくありません。

 この振り方をするのであれば、相手を倒すということではなく、相手の攻撃を受けきる、または後続をサポートするという方針で使用する必要があるでしょう。

 

 あと残念なお知らせですが、いくらラティアスのDが高いといっても、特殊耐久がラティアスより高いポケモンは沢山います。それはラティアスのH種族値が80しかないからです。

 例えばスイクンはD種族値が115とラティアスより15も低いですが、そのかわりH種族値が100でありラティアスより20高いです。このスイクンがHD特化すると、なんとラティアスより特殊耐久が高くなるんです。しかもそれだけでなく、ラティアスより弱点が少ないので、より多くの特殊アタッカーを受けることが可能となります。

 

そのポケモンに何をさせたいか」つまりポケモンの役割を考える際は、「本当にそのポケモンはその役割で十分なのか」「同じような役割なら、もっと他に適したポケモンがいるんじゃないか」ということも十分検討しなければいけませんね。

 

 

 今回の努力値調整は、極振りのみを想定し、仮想敵は想定しないものとして考えています。ご了承ください。

 

ここまでのご閲読ありがとうございました

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