【不定期更新】#13-構築編①PTの軸と勝ち筋【小コラム集】
この記事は、ポケモン対戦初心者のための小コラム集「脱初心者、ランクバトルへ」の連載企画です。
さあお待ちかね! 今までは「ポケモンの育成」に焦点を当ててきましたが、本当に楽しいのはここからです。今度は「パーティの組み方」に焦点を当てていきます。構築編、スタートです!
軸
それはPT構築におけるもっとも基本的な考え方。
ポケモンは全部で800匹以上。ポケモン剣盾で使える最終進化ポケモンだけを数えても300種類以上存在します。
そんな中からたった6体を決めるというのはとても難しいものです。
ですが、構築をするにあたっての考え方を覚えてもらえば、自然と使いたい6体というのは決まっています。
そこでまず覚えてもらうのは軸です。
PT構築における軸とは、選出の基準となるもの、です。
ポケモンバトルは6体のうちから3体を選出して対戦しますが、ハッキリ言ってたった3体のポケモンだけで300種類ものポケモン全てを相手にすることは不可能です。
ですが、少しでも多くのポケモンに対抗できるよう、バランスの良い3体を選ぶということは可能です。
全てとは言わずとも、なるべく多くのポケモンに勝てるように、できるだけバランスの良い3体を選び、その3体を選出の基本とする。これが軸という考え方です。
【軸の決め方】
①好きなポケモンを選ぶ
いくらポケモンの数が多すぎて覚えられないと言っても、好きなポケモンの1体や2体はいると思います。
誰でもいいんです。かっこいいから、かわいいから、強いから、どんな理由でも構いません。自分の好きなポケモンを使わないと、対戦へのモチベーションは上がりませんから。とにかくまずは誰でもいいので1体を決めてください。このポケモンを使って勝つぞ! という意気込みがあるとなおよいでしょう。
今回、この構築記事を書くきっかけとなったとある人の依頼により、最初の1体はラティアスにすると決めていたので、この記事ではラティアスを中心に進めていきます。
とはいっても、それ以外の方では、最初の1体を決めるのはやはり難しいもの。
好きなポケモンと一言で言っても、例えば私が好きなポケモンはフリージオ、バンギラス、ツボツボ、ハッサムなど、単に好きなポケモンなら沢山いるんです。
ではこういう考え方はどうでしょう。
幸い、この構築記事を書いている時点でのランクバトルのシリーズ10は「禁止伝説級のポケモンを1体だけ採用できる」という特殊ルールがあります。例えばミュウツーやカイオーガ、レシラム、ギラティナ、ネクロズマなどといった、あまりにも強すぎて普段のランクバトルでは使えないというポケモンが1体だけ使うことができます。この、1体しか採用できない禁止伝説級のポケモンを決め、そのポケモンを中心に軸を決めていくという考え方でしたら、スムーズに軸が決めやすいのではないかと思っているところです。
ちなみに私のおすすめはザシアンですが、他にもカイオーガ、黒馬バドレックス、ホウオウ、日食ネクロズマなどが人気ですね。
②好きなポケモンに何をさせたいか(役割)を決める
自分がそのポケモンを使って戦うとき、どういう戦い方をして勝ちたいのかをまずは決めないと、そのほかのポケモンを決めるのは難しいです。
ポケモンの役割、あるいはポケモンの型と呼べるべきものを考えてあげる必要があります。
実はこの話は以前にも何回かしましたね。ポケモンに何をさせたいかを考えると。ポケモンには色々な役割というものが存在するのをご存じでしょうか。
ざっと挙げるとするなら、以下のような役割があります。
★エース(アタッカー)
まさに主軸です。このポケモンを使って対戦に勝利する、という明確な役割があります。この役割を持つポケモンは、AやCの数値が高い、技範囲が広い、メインウェポンの威力が高い、といった特徴を持つものが多いです。
エースバーンなどは代表的なエースポケモンですね。
●受け(クッション、流し)
相手のエースポケモンの攻撃を受ける役割を持ちます。クッションや、流し性能が高いとも言えます。この役割を持つポケモンは、エースとなるポケモンの弱点に強い、HやB、Dの数値が高い、回復技や妨害技を持つ、といった特徴を持つものが多いです。
最近の環境に多い受けポケモンはハピナス(特殊受け)やドヒドイデ(物理受け)などですね。
◆起点作り(ギミック発動要員)
自分にとって、あるいは後続のポケモンにとって有利な場を整える役割を持ちます。リフレクターやひかりのかべを張ってポケモンの耐久値を上げる壁貼り要員や、天候操作系の特性を持つもの、トリックルームが使えるものなどが挙げられます。また上記で「流し性能」という言葉を使っていますが、起点作りの役割を持つポケモンは流し性能も兼ね備えているとも言えます。流し性能とは、相手を無理やり交換させられる性能を持つポケモンです。
流し兼起点作りで代表的なのはカバルドンやラグラージですね。「あくび」を使って交換を強制させつつ、ステルスロックで交換先のポケモンにダメージを蓄積させます。壁貼りですとオーロンゲやレジエレキなどがよく使われます。耐久値の高いポケモンを使ってトリックルームを使うのも起点作りと言えます。
■裏エース
エースポケモンを用意したものの、そのポケモンではどうやっても倒せない相手というのはタイプ相性的に存在します。例えばエスパータイプを主軸にすると、悪タイプのポケモンは大の苦手ですからね。そういった場合、悪タイプに強い格闘タイプやフェアリータイプなどを裏エース、予備のアタッカーとして用意しておく必要があります。
エースのメインウェポンやサブウェポンを半減されてしまうタイプのポケモンに強い技を持つポケモンを用意しておきましょう。
ちなみに私はこの記事ですでにラティアスの型を決めております。ズバリ受けですね。ラティアスの高い特防を活かして、瞑想を積んだり自己再生で回復したりしつつ相手の特殊アタッカーを封じるという役割を持たせるつもりです。
ドラゴンタイプはドラゴンタイプに強く、鋼タイプやフェアリータイプにはダメージを与えにくいです。
エスパータイプは毒タイプや格闘タイプに強く、鋼タイプや悪タイプにはダメージを与えにくいです。
特に気を付けたいのは、メインウェポンとなるドラゴンタイプやエスパータイプの技が、フェアリータイプや悪タイプに無効化されるという点です。
また弱点としては、ゴースト、虫、フェアリー、悪、ドラゴン、氷タイプに抜群をとられてしまいます。
このことから言えるのは、ラティアスはメインウェポンの技範囲が狭く、弱点となるタイプがそれなりに多い(全18タイプ中6タイプに弱点を突かれる)ということになります。
そしてラティアスを受けとして使うなら、役割的にはアタッカーのポケモンを用意したいところです。
つまり悪タイプやフェアリータイプに強く、ラティアスの弱点をカバーできるアタッカーを用意すればいいということですね。
そこで私が考えたのはザシアンです。
当記事執筆時点(2021年8月)におけるランクバトルはシリーズ10。そのルールは、ダイマックスが禁止なのと、伝説級のポケモンを1体だけ使えるという点です。
私は伝説級のポケモンをアタッカーのエースとして据えるのが最適だろうと考えていましたので、伝説級のポケモンの中で上記の条件を満たすポケモンにザシアンを選んだというわけです。
ザシアンは「くちたけん」を持たせてフォルムチェンジすると、タイプが鋼・フェアリータイプとなります。このタイプ相性はラティアスが苦手なタイプのうち、虫、フェアリー、悪、ドラゴン、氷タイプを半減以下に抑えることができます。またアタッカー性能としましては、フェアリータイプに有効なきょじゅうざんや、悪タイプに有効なインファイトなどを覚えます。そしてもともとずば抜けて高い攻撃力を、つるぎのまいを使って更に上昇させることもできます。
④勝ち筋(立ち回り)を決める
私が考える「軸」と呼べるべきものは、とりあえずラティアスとザシアンの2体。これでいきます。
軸は人によって意見が分かれるところで、1体という人もいれば3~4体をまとめて軸と呼ぶ人もいます。
あるいは、「多くの相手にまんべんなく戦えるような3体」のことを「基本選出」と呼んだりもしますが、この「基本選出」のことを「軸」と呼ぶこともあります。
まぁ数はそんなに重要ではないですが、どんな考え方にも共通して言えるのは「勝ち筋を決める」ということです。
ラティアスやザシアンを使うにあたって、どういう動かし方をすれば勝てるのか、勝つためにはどういう戦い方を展開すればいいのか、という考え方のことを「勝ち筋」あるいは「立ち回り」と呼びます。
ラティアスは瞑想を使うという戦い方を挙げました。
また、ザシアンも剣の舞を使って能力を上昇させるのが強いと書きました。
この2体に共通して言えるのは、どちらも積みアタッカーであるということです。積みアタッカーというのは、能力を上昇させる変化技を使って相手に圧力をかけていくタイプのアタッカーのことです。
瞑想や剣の舞を積んで、攻撃力や特攻を大きく上昇させ、相手ポケモンの全抜きを狙う。そういう勝ち筋が考えられますね。
では、そういう勝ち筋があると考えた場合、残り4体はどのように補えばいいでしょうか。
それらは次回の記事で解説していきます。
<参考文献>
私よりも強い方々が、私よりも分かりやすく「PT構築について」を解説してくださっています。とても参考になる動画ですので、ぜひご覧ください。
ただし専門用語などが飛び交っている動画もあるので、今シリーズからポケモンを始めたという超初心者の方には少し難しい内容も含まれています。ですが、当記事を最初からここまで読み進めてくださった方なら、ある程度は理解できるんじゃないかと思われます。
これらの動画のうち、自分の性格に合うなと思った方の動画を絞って、何回も視聴することをお勧めします。
ここまでのご閲読ありがとうございました